ドイツに来る前まで、母親業と勉強の傍ら、日本語を教えていました。

子どもがバイリンガルに育つ様子と日本語を第2外国語として学ぶ学生を目のあたりし、大学院に入り直したのは9年前。

経験と学位のおかげで、ドイツ語を勉強する傍ら、ドイツ人に日本語を教える機会をいただきました。

もちろん、以前のようにたくさんコマ数があるわけでも、大人数の前で講義するわけでもありませんが、単純にドイツ人に日本語を教えるということにチェレンジしたいと思っていた私にとっては十分です。

1対1や1対2の授業ですが、1年近く続いています。

ドイツ人が日本語を学ぶ理由

ドイツ人が日本語を勉強する理由は何なんだろうと興味を持っていました。

アジア圏の学生が日本語を勉強する理由は、地理的な近さが大きく影響していますが、ドイツ人にとって日本は遠い国。

ドイツ人がまず勉強する言葉は、英語やフランス語やスペイン語です。

そんな中、なぜ日本語?と不思議でした。

一般的には日本文化に興味あるからなんだと思いますが、私の生徒の場合は、

  • 高校の同級生が日本人(ドイツで育った日本人)だったから日本語を学びたい。
  • 日本の会社と提携しているので、時々日本に行ったり、日本人がドイツに来たりするから(日本の会社との会話は全て英語ですが)。
  • 日本の食べ物、特に寿司が好きなので、日本に行って食べたい。
  • 子どものとき(60年以上前)日本に住んでいたから、もう一度勉強したい。
  • 親戚に日本人がいるから。

などなどです。

漢字圏の日本語学習者とアルファベット圏の日本語学習者の違い

一番の違いは、漢字を教えるか教えないかです。

漢字圏の日本語学習者の場合は、漢字を教える必要はありません。

漢字を見ただけで、だいたいの意味はわかりますので、単語ののみこみも早いです。

もちろん平仮名や片仮名は初めから覚える必要がありますので、漢字圏の学習者でもアルファベット圏の学習者でも同じですが、平仮名も片仮名も元は漢字を簡略して生まれたものですから、やはり漢字圏の学習にはなじみやすいようです。

ドイツ人にとっては平仮名も片仮名も漢字も未知なもの。私たちがアラビア語を見ているような感覚でしょう。

日本語を学習するドイツ人にも、初めから平仮名と片仮名を紹介しますし、少しずつ漢字も覚えてもらいますが、文字でつまづいてはその後が続かないので、ほぼローマ字に頼っています。

これはアジア圏で教えていた私にとっては初めての経験。この違いを楽しんでいます。

もう一つの違いは、動詞の活用の習得の早さです。

日本語の動詞の活用とは、国語の文法でも習いましたが、読む(辞書形)、読んで(て形)、読まない(ない形)、読んだ(た形)のように語幹の後ろを活用させることです。

日本人にとっては自然に身についているものですが、外国人にとってはルールを知り、覚えていかなければいけないものです。

ドイツ語の文法も日本語以上に複雑ですし、動詞の活用があります。

そのせいかどうかわかりませんが、日本語学習者が最初につまづきやすい動詞の活用への抵抗があまりないように感じます。

日本語を教えることの一番の楽しみは?

どの国に行っても、日本語を教えることを通して、その国の人たちの考え方や文化を知ることができます。

日本語を学びたいという気持ちが前提にあるので、好意的、少なくても敵意をもっている人はいないですから、コミュニケーションがとりやすいです。

授業中の会話を通して、ドイツの習慣や食生活、休日の過ごし方などを垣間見ることができて、とても楽しいです。